アソシエイトとは?

コンサルタントとして立ち上がるための仕事術

第2講 雑用を極めよ

戦略コンサルティングファームのアソシエイトの正しいワークスタイルとは?

 

新卒でアソシエイトとしてBCGに入社し、コンサルタントとして6年間戦った ”ファンタジスタ品川さん”*に、コンサルタントに昇格するまでの正しい仕事術をご紹介いただきました。

*ファンタジスタ品川さん: 海外大学から、新卒BCG入社の素敵女子。その後、6年BCGで戦い、突如、医者の道に。海外大学で専攻していたのは「生化学」。「え?理系なの?」という空気が充満しております。

”ファンタジスタ品川” さんがよくわかるQAはこちら。

 

アソシエイトの仕事は、プロジェクト実行において、ほぼ大半の作業を占め、地味で大変な作業が多いように見えますが、コンサルタントとしての「基礎」が出来上がる大切な時期です。

 

ここでは、アソシエイトとして過ごす、コンサルタントに昇格するまでの大切な時期の「仕事術」を読み進めるごとにレベルが上がっていくよう、全20回に亘ってご紹介いただきました。

※ 考えるエンジン講座代表タカマツとの対談形式での解説動画もありますので、併せてご覧ください。

 

今回は「第2講 雑用を極めよ」です。

戦略コンサルティングファームのアソシエイトは、雑用を侮るなかれ。

雑用は、ワークスタイルのセンスが問われます。

当たり前の向こう側。の「雑用力」とは?


第2講 雑用を極めよ

情報収集でリーダーに一目置かれたあなた。今までろくに評価されなかったあなたは有頂天になるだろう。そして、ないがしろにするのだ。資料のコピー、 ミーティングの準備、会議室の片付け、議事録の作成と共有−−−−−−。

 

「こんなのは俺の仕事じゃない。俺の仕事はもっとインテリジェントに頭をつかうことなんだよな〜。そう!こういう仕事は秘書がやればいいじゃん!」

 

あほか。あほなのか。

 

今一度わきまえろ。自分の能力をわきまえろ。自分の心の不細工さをわきまえろ。あなたの仕事のメインはむしろ雑用だと言っても過言ではない。逆に聞きたい。プロジェクトチームの中であなた以上に雑用をすべき人間がいるのだろうか?秘書か?秘書の仕事はプロジェクトの運営ではない。ボスの仕事をマネージングすることだけだ。逆に言えば、秘書たちはボスの仕事をマネジメントできることであれば、なんでもする。5分刻みのスケジュールから30分のミーティング時間を捻出するし、海外要人とのアポイントメントだってとるし、年賀状も書くし、50部のコピーもするし、ペンが無いと言われればどこにでも届けるし、コートをクリーニングにだって出す。彼らはプロだからだ。では、あなたはなんのプロなのか?情報収集のプロなのか?違う。プロジェクトを成功させるプロのはずだ。では、なぜプロジェクトを効率よく進行するための仕事ができないのだ。

 

BOYS BE PROFESSIONAL、である。(クラーク博士のパクリなので、GIRSは気を悪くしないで頂きたい。)

 

「わかったわかった、文句言わずに雑用でもなんでもするわ。ていうかすでに雑用なんてやらされまくってるんですけど?」 とかつぶやいてしまうあなた。その口を針糸で、きつくきつく縫い付けてからじっくりとこの先を読んで考えるがいい。

まず、あなたがどれだけ雑用力があるか、みてみよう。

 

開始5分前のミーティングルームを覗いてみよう。

あなたはぱたぱたと、印刷した資料をクリッピングしている。思ったより量が多かったのか、ちょっと焦り気味だ。あわててポンポンと座席においていっている。そこにリーダーがやってきて、『財務分析したエクセルファイルも、用意しといて』と言われたようだ。さらに焦ってコピーを取りに行く。ああ、、、A3で印刷しないといけないのにA4で印刷してしまった。。あ!A3に変えたはいいものの、印刷範囲がおかしいぞ。ミーティング開始10秒前になんとかすべての準備が終わった。パートナーが入ってくる。パートナーは雑に並べられた資料を一瞥してから、まっすぐにホワイトボードに向かってペンを取る、、、が、ペンのインクがない!昨日のミーティングでもインクがなかったのに!

 

なんということだ。スマートさの欠片もない。

 

では、プロフェッショナルの開始5分前のミーティングルームを覗いてみよう。

 

全座席に、ピシッときれいに揃った資料が置いてある。

あなたは下座に座り、今日のミーティングで何をどう伝えるかをイメージトレーニングしている。

以上。

 

何?これだとよくわからないだと?ではもう少しみてみよう。

 

よく見ると、テーブルの端にホワイトボード用のマーカーの替えがおいてある。開始3分前に入ってきたリーダーが、『財務分析したエクセルファイルも、用意しといて』と言う。あなたは焦らず印刷設定を確認しながら人数分、印刷して資料の一番下に綺麗に入れ込む。印刷している最中に、念のためプロジェクターにエクセルをすぐ写せるよう、プロジェクターの準備だけしておく。やがてそこにパートナーが入ってきて、まっすぐにホワイトボードに向かってペンを取る。ペンのインクが無いが、あなたはさっと替えを渡す。滞りなくミーティングが始まる。

 

プロフェッショナルのミーティングは、こうでなくてはいけない。

 

今は社内ミーティングだが、社内ミーティングはすなわちクライアントミーティングでの所作につながる。資料が綺麗に並んでいるかどうかなんて、くだらないと思うだろうか?高いフィーを払う相手が、どたばたと資料を準備している様子をみていたら不安に思わないか?スマートに、ピシッと準備が整った様子を見せることで、安心すると思わないか?リーダー、パートナーだって同じである。 資料を置くことだけに気をとらわれるなかれ。資料を置くなら美しく、そして意味のある順番で置け。ミーティングで他に必要なものがないか、痒いところに手がとどく気遣いを見せつけるのだ。わたしがいたBCGでは、こういうadditionalな仕事を「イーハン(一翻)をつける」と言っていた。イーハンとは、麻雀のあがり役の単位のことで、小さい役をつけることで、元のあがり役より少しでも高い役をつけてあがろうとすることを、イーハンをつける、というのだ。

 

では、雑用力をあげるにはどうしたらいいか?

 

答えは「先回り」と「経験の蓄積」である。

 

先回り、とはリーダーやパートナーが言いそうなこと、やってほしそうなことを考えて先回りしろということだ。 ペンのインクがなくなりそうなのか?エクセルをプロジェクターに写してと言いそうなのか?テレフォンカンファレンスしたいと言い出しそうなのか?追加で見たそうな資料はないか?そういうことを考えるのだ。思いつかないのなら、考える時間をとることだ。ミーティング30分前に、10分考えてみろ。ミーティングにつき、何か一つは先回りできることはないか、考える癖をつけるのだ。

 

雑用力とは、とても高いレベルが求められるものである。最初から完璧に出来る人はなかなかいないだろう。そこで必要となるのが、ある程度の経験の蓄積である。「なーんだ。それなら入社して3ヶ月の自分ができなくてもしょうがないね!」と思ったあなた。「努力しない亀は、一生ウサギに勝てない」と、129回音読せよ。入社3ヶ月目の今から、上司や先輩に言われたことだけでなく、上司や先輩が見せた雑用力をどんどんメモして身につけていくのだ。

 

アソシエイトとして、いいコンテンツを用意すること。これはやって当たり前なのである。更にその上で、ピシッとした雑用力を見せつけることで、あなたは「イーハンつける」ことが出来るのだ。


第2講 雑用を極めよ 解説動画

 

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